東洋医学の古い書物には、「広く庭を歩く」事が養生の一つとされていました。簡単に書いてある為、深く考えなければ運動をする事が養生法となり、健康維持に繋がるのだと考える事が出来ます。現代では様々な角度で身体について研究され腰をしっかりと動かすことが、全身の血流を正常に保つ為に重要な事が分かっています。その為には、ゆっくりと呼吸と合わせて腰から身体を動かすこと。動かすにも疲れすぎてはいけないこと。動かした後はしっかりと休むこと等が大切ですが、近年のこのような啓蒙には動かすことと同時に休めることも大事だという観点があまりみられません。
目先の欲を考えると、何かをするという事とそれを教えるということが商売にはなりますが、ゆっくりと全身を動かし、その後はゆっくりとした時間を味わって、偏って使ってしまった身体のバランスを整える事が一番重要なのです。そこで、「広く庭を歩く」と書かれているのでしょう。ゆっくりと大きな歩調で、呼吸に合わせて歩くことで、呼吸と協調して全身を動かすことができ、全身をしっかりと動かしたあとは、休むだけで身体全体の緊張と弛緩を身体自身がバランスを取ってくれます。これだけだとお金になりませんので、流行することはありませんが、本当に大事な事を押さえていれば何をしても身体が元気でいることができるのです。